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仙台高等裁判所 昭和25年(う)593号 判決 1950年11月20日

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

判決要旨

共犯であるとの証拠と単独犯であるとの証拠を総合して単独犯であるとの事実を認定したのは採証法則に反し判決に影響を及ぼすべき事実誤認である。

理由

原判決は原判示第一事実認定の資料として司法巡査の申魯壽に対する第一回供述調書を採つている外被告人に対する司法巡査及び検察事務官の各供述調書を掲げているが被告人の該供述記載は申魯壽と共謀で敢行した窃盗の事実を認めうる資料であるに対し申魯壽の右供述調書は被告人の単独窃盗であることを認めうる資料である。しからば斯く相反する二つの資料を総合して原判示の如く右は被告人の単独窃盗であると認定したのは採証の法則に反し判決に影響を及すべき事実の誤認を疑うに足る事由がある場合に該当するものと認むべきであるから原判決は破棄を免れない。

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